『過払い訴訟』
サラ金から三億円を取り戻せるってホント?! 弁護士 北村 栄
   
 
ロ:ロースクール(法科大学院)生(未来の法曹を目指す若者)
弁:弁護士(過払い集団訴訟弁護団)

ロ:先生、この新聞記事、ほんとですか?。三億円なんて年末宝くじみたいですが。

弁:ほんとだよ。私も弁護団の一人なので”間違いない”。宝くじで三億円当たるのはものすごい確率だけど、今回は九〇%以上の回収率をねらっているんだよ。いや、なにがしか返ってくるかということならば一〇〇%と言っていいかな。

ロ:何でそんなにすごい額のお金が返ってくるんですか。サラ金はまだ借金は残っていると言っているのに・・・よくわからないのですが。

弁:実は借りている利息は例えば年二九%と高いけれど、法律で定めた利息は一〇〇万円以下の場合は一八%となってるので、その差額を元金に充当すればまだ五〇万円残っていたと思っていても、実は借金の残額は一〇万円だったとか、なくなっていたとか、返済期間が長いときなどは払いすぎていたということがあるんだよ。

ロ:それでも本当に三億円にもなるんですか。

弁:記事にあるように、一六七人の合計で、一人五つのサラ金を相手にしている人もいるのでその合計金額なんだけど、一人で一社に対し三〇〇万円を超える請求もあるんだよ。

ロ:本当に返ってくるんですか。

弁:そうだよ。実際に四〇〇万円の借金をどうしようかと依頼されて逆に四〇〇万円を取り戻したことがあるからね。その時は依頼者に喜ばれたなあ。

ロ:へえー。依頼者の方にとっては夢のような話ですね。でも、法律家を目指している僕も知らなかったから普通の人は知らないんじゃないですか。

弁:そうなんだね。今回集団で訴訟を起こした一つの理由は皆さんにも知ってもらいたいことがあるんだね。もちろん、業者にこんな高い利息をやめさせたいとの狙いもね。
やりがいのある事件だから君も早く弁護士になって手伝ってくれないかな。

ロ:はいっ。サラ金をギャフンと言わせたいですね。そのために今は一生懸命勉強します。

 

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