『子どもたちにきれいな環境を』
産業廃棄物処理施設設置をやめさせよう   弁護士 田原裕之郎
   
 
 平成13年5月23日、愛知県知事宛に春日井市松河戸町(庄内川のすぐ北側)に産業廃棄物焼却処理施設を設置することの許可申請がなされました。
  この施設が稼働すれば、ダイオキシンなどの有害物質の発生により、近隣住民の健康が侵害されるおそれがあります。ダイオキシンは、青酸カリやサリンよりも強い毒性をもっており、一旦体に入ると排出されず、特に母体に入った場合には子どもにまで影響を及ぼすというおそろしい有害物質です。今回の焼却施設では、おわん型の受け皿を回転させて廃棄物を焼却するという新しいタイプの焼却炉を用いるとされているのですが、完全燃焼しないおそれが大きいという根本的な問題を抱えています。
  そこで、春日井市、名古屋市守山区、北区の住民が、それぞれ会を結成して反対運動を進めてきました。
  ところが、本年4月28日、愛知県知事が産廃焼却施設の設置を許可したため、産廃施設の設置を止めさせるための法的手続を執らざるを得ない事態となったのです。
  6月25日、住民2134名が設置許可処分に対する環境大臣宛の不服審査請求を申し立てました。そして去る12月16日には、474名が申立人となって名古屋地方裁判所に建築差止を求める仮処分を申し立てました。このように多くの方が申立人となられていることにも住民の反対の声の大きさが表れています。
  弁護団も短期間に22名の弁護士が代理人に就任していただくことになり、籠橋弁護士(名古屋弁護士会でも有数の環境弁護士)、兼松弁護士(立田村産廃施設阻止弁護団)稲垣弁護士(当事務所きっての環境弁護士)、伊藤弁護士(名古屋北法律事務所)、白川弁護士(同)、そして私の6名が実務を担当することになりました。
  住民の皆さんと力を合わせ、危険な産業廃棄物処理施設の建設を何とかして止めさせたいと考えています。

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