■ この事件の支援がライフワークとなっていいはずがない!!  事務局 田中 哲夫
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 〜再審開始決定に対する検察官の不当な異議申立に憤る〜

 「被告人は、無罪」。一九九〇年七月二七日、死刑事件の山中事件に対し、差し戻し無罪判決が下された瞬間でした。その前年に事務局員になった私は、この事件の支援運動に携わり、無実の死刑囚の「死刑台からの生還」を目の当たりにしました。そして、「次は名張毒ぶどう酒事件だ。」と、当時、奥西勝さんと唯一面会が認められていた特別面会人の川村さんから声をかけられたのです。
  それから一五年。夢にまで見た再審開始決定!です。獄中の奥西さんを絵手紙で励ます支援者の輪は五〇〇名を超え、毎月二八日に大須観音の縁日で支援を訴える活動も今年で九年目に入ります。奥西さんと弁護団の不屈なたたかいに加え、皆さんのあたたかいご支援の結晶が、今回の再審開始決定といえるでしょう。しかし、奥西さんは依然獄中のまま。検察官の不当な異議申立により再審の審理すら始まっていません。支援を始めた頃に私が作ったビラに「私を助けてください。三〇年間苦しめ続けられています。」とあったのは、今年、「とどけ 四四年間の無実のさけび」となりました。この間、独房の中の奥西さんは、確実に年を重ねてきました。死刑の恐怖に怯えながら…。何というひどい人権侵害でしょうか。しかも、名古屋拘置所は、親族や弁護人以外との面会や手紙のやり取りはたった一人の特別面会人にしか認めていません。こんな奥西さんを一日も早く取り戻したい。さらなるご支援をお願いします。


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