サマワの女性からの
聴取の様子



サフヤン教授と調査団
(左隅が筆者)

■ ヨルダン・アンマン調査団報告  弁護士  川口 創
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訪問の目的
 イラクへの自衛隊派兵差止め訴訟は名古屋の他に、札幌から熊本まで全国一〇地域で裁判が行われ、原告数は合計で約五四〇〇名、弁護団も八〇〇名を超えています。リアルな証拠を法廷に出すことが不可欠なことから、全国弁護団の有志で二〇〇五年三月二五日〜四月一日の八日間、イラクの隣国ヨルダンに調査に行って参りました。ヨルダンではかなり広範な方達からの聞き取りを行うことが出来ました。一部ご報告させて頂きます。

劣化ウラン弾の被害はすでにアラブ諸国に広がっている
  劣化ウラン弾の被害について、ヨルダン環境計画国際センター所長のサフヤン教授のご自宅にてスクリーンを見ながら劣化ウラン弾の放射線被害についてレクチャーを受けました。その中で、戦争でイラク国内で破壊された戦車などの鉄くずが、売買の対象としてイラク国外に運び出されており、そのことでヨルダン国内でも放射線被害が多数生じている、ということを知らされました。
私たちは、劣化ウランの被害がすでにアラブ諸国に広がっている事実に衝撃を受けました。

サマワで自衛隊が 行っていることは『非人道支援』
 サマワ出身のイラク人から聴取した情報の中で、共通していることとしては、自衛隊はサマワの市民のためになる支援は「何一つ行っていない」ということです。
  すでに五〇〇億円もの税金が投下されたはず。どこに使われているかと聞くと、こう答えられました。「サマワには一六の部族がある、自衛隊はその全ての部族長に、『自衛隊を攻撃しないようにして欲しい』と懇願し、多額の現金を送っている」と。つまり、サマワの市民のためにお金を投入しているのではなく、自らを守るため(まさに「自」衛隊)、巨額の現金を部族長に渡しているのです。このようなやり方によって、利益を受けない多くの市民から自衛隊に対する非難が強まっているとのこと。ファルージャの部族長は、「お金で人を動かすというやり方は、誇り高いイラク人を深く傷つけるものだ。日本のやり方に憤りを覚える」と仰っていました。
  まさに、日本がサマワで行っていることはイラク国民から見たらまさに『非人道的』支援であり、その責任は私たち自身にあることについて、厳しく迫られました。

最後に
 最後に、ヨルダン人権協会会長で弁護士のハニ・ダヘレさんが仰ったことを紹介して終えます。「この戦争は人類史上一番の大嘘戦争(ビッグライアー・ウォー)です。自衛隊も含め、全ての占領軍はすぐにイラクから出ていってください。日本の皆さんも、全国全ての市町村から、自衛隊と全ての占領軍の撤退の声を挙げてください」

  裁判は原告大募集中です。

問い合わせ
名古屋学生青年センター
(052-781-0165)
HPは http://www.haheisashidome.jp



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