■ てがるに・すみやかに労働紛争を解決・労働審判制度始まる  弁護士  田原 裕之
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 労働相談は年間十数万件も寄せられているのに、裁判所に申し立てられる労働事件は年間三千件を超える程度。「時間がかかる」ことが大きな原因です。そこで、今年四月から「労働審判制度」が発足しました。

☆ 個別労働関係民事紛争が対象 
例えば、不当解雇、有期契約の雇い止め、残業代の未払、労働条件の不利益変更、配転(転勤)、出向、懲戒処分、退職強要、退職金不払などが対象となります。

☆ 裁判官・労使代表者が審理 
労働審判は、裁判官が「労働審判官」となり、労使代表者各一名が「労働審判員」となって、この三名が審理を進め、判断を下します。

☆ 三回の審理で結論 
申立後三回の審理で結論に至ります。その間、調停解決が試みられ、話し合いがまとまれば「調停成立」で終了します。話し合いがまとまらない場合には、「審判」が言い渡されます。申立から三〜四か月で結論が出ることになります。

☆ 柔軟な解決 
「調停」では当事者の合意で柔軟な解決ができますが、「審判」も「当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするため」になされます。また、「審判」では、「個別労働関係民事紛争の解決をするために相当と認める事項」を定めることもできます。

  名古屋地方裁判所では、既に七件の申立があり(五月末現在)、内一件は、解雇事件でしたが、第一回期日に職場復帰の調停が成立したとのことです。
  当事務所でも、労働審判に対応する態勢を作っています。お気軽にご相談ください。



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