■ 中電アスベスト裁判について      弁護士  中山 弦
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 アスベスト被害救済東海弁護団で取り組んでいる中電アスベスト裁判についてご紹介します。

  中電アスベスト裁判とは、職場(火力発電所)におけるアスベスト吸引が原因で悪性胸膜中皮腫に罹患し死亡した中部電力の元従業員遺族が、中部電力を相手に損害賠償を求めて提訴した裁判です。

  2007年春に提訴して以来、裁判では、主に、被告会社に「従業員の生命身体の安全に配慮すべき義務」の違反があったか否かが争われてきました。現在のところ、被告会社は、会社としてどのようなアスベスト対策を取ってきたのかを具体的に主張することが出来ず、無策を自認するに等しい状況に陥っています。

  いまだにアスベストによる健康被害の実態が解明されず、多大な被害を発生させた企業の責任追求もなされていないという状況の中、この訴訟は、企業のアスベストによる健康被害防止義務と加害責任を明らかにするとともに、被害予防の施策を改善し、今後、二度とこのような悲惨な被害を出さないようにするという大きな意義を持っています。

  弁護団としては、今後も、原告や支援してくださる多くの方々とともに、全力で取り組んでいきたいと思います。


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