■ 労働契約法施行−安定した労働関係をつくりましょう   弁護士  田原 裕之
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 「労働契約」とは、労働者と使用者との雇用についての契約です。正社員でも非正規雇用でも、すべて労働契約です。この労働契約については、民法や労働基準法にいくつかの規定がありましたが、まとまった法律はありませんでした。そこで、「労働契約法」という法律がつくられ、平成20年3月1日から施行されています。

  この法律では、就業規則と労働契約の関係(就業規則が労働者に不利益に変更された場合、どのような効力があるかなど)、出向、懲戒、解雇の効力などが定められています。これらの問題については、最高裁判所の判例がありますが、法律の形になりましたので、誰でも知ることができるようになりました。

  また、この法律では、「労働契約は労使が対等の立場で締結する」「労働契約は仕事と生活の調和に配慮して締結する」というような労働契約の原則も定められています。

  「ワーキングプア」など非人間的な労働がまかり通り、社会問題にもなっています。この法律の目的は、「労働者の保護を図りつつ、労働関係の安定に資すること」とされています。労働者が活用できるところは大いに活用しましょう。使用者の方も、労働契約法に従った雇用関係を確立しましょう。安定した労働関係は企業の発展の力にもなるものです。
(講師派遣のご依頼があれば、講師を派遣します。)


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