■ 創立40周年記念講演 森永卓郎さん講演会 成功裏に終わる!
  弁護士  福井 悦子
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 名古屋第一法律事務所の創立40周年記念講演−森永卓郎さんの「格差社会はなぜ生まれたのか−構造改革と日本社会の展望」にご来場いただけましたでしょうか。
ご来場いただけた方々には、何も語る必要はないでしょう。でも、残念ながらご来場いただけなかった方々のために、少しだけご報告させていただきます。

過去7年に渡り、日本企業は、空前の利益を積み上げてきたのに、法人税は減り続けました。他方、労働者は、なぜか給料を減らされ、その一方で、税金や社会保険料が上げられました。「富める者はますます富んで、貧しい者はますます貧しく」、これぞ新自由主義の実態であることを森永さんは、具体的な数字を上げつつ、分かりやすく語ってくれました。一番恐ろしいと感じたのは、このような経済のあり様が人の心まで支配することです。かつての日本の会社では、労働者を「人間」と見ていたのに、今は「もの」「部品」としてしかみない。道ばたで、気分の悪そうな人がいれば、「大丈夫ですか?何かお手伝いしましょうか?」と声をかけるのが普通であるのに、知らん顔で通り過ぎる。こんな人ばかりになったら、確かに、爆弾を落とされるところにも普通の人間が住んでいることにも気が回らず、平気で戦争を始められるんでしょうね。

でも、今の金融危機が、小麦・石油の異常な値上がり(ではなく、投機筋の値のつり上げ)を終息させ、異常なマネーゲームを展開してきた金融資本主義に終焉をもたらす転機になりうるということで、講演の翌日には、森永さんの「ご託宣」のとおり、G20が、金融規制強化を合意しました。最後は少し元気をもらいました。

森永卓郎さん。ご来場いただいた皆様。おかげさまで、当事務所の40周年記念講演会を成功裏に終わることが出来ました。この紙面を借りて、あらためて御礼申し上げます。

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