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法律事務所支所を中国・大連に開設しました
  中国東北では最初の正式認可
 名古屋第一・法円坂(大阪)・菅原(東京)三事務所でJV組む
弁護士 加 藤 洪 太 郎


 当事務所では日中間の経済交流・協力を法律の面からサポートする役目を担い両国間の平和に寄与しようと、大連での日系法律事務所の開設を準備して参りました。2000年6月8日、中国の司法部から正式に認可がおり日本弁護士の事務所を開設する運びとなりました。
 皆さまのご指導ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 以下は、6月8日に認可式に出席した加藤洪太郎弁護士のレポートです。
 2000年6月8日、北京司法部の一階会議室。居並ぶ面々は、アメリカ、イギリス、スイス、イタリア、シンガポール、香港、そして日本など13の法律事務所の代表達。中国国内へ進出する外国法律事務所への進出認可証の交付式である。我々も三つの法律事務所で共同事業体(JV)を構成し、大連での事務所開設を申請してきた。それが認可となっての出席である。仲間8名で列席し、いささか緊張のおもむき。
 司法部高昌礼部長(Minister of Justice)から一人一人に許可証が交付されたあと、米・スイス・香港の代表がスピーチ。進出を許可されたアメリカの法律事務所の代表曰く「当法律事務所は全世界24四カ国に32カ所の事務所を設けている。今まで中国にはなかったが、中国がWTOに加盟しようとする歴史的時期に中国進出となり天与の機会を得た」
 これに比べ、我がJVは、併せても弁護士20数名程度の少数グループ。    20世紀は戦争の世紀と云うほど、自国の利益と意思を他国に押しつけるのにあからさまに武力を動員してきた。21世紀は、そう易々とは大勢の人間を長い間に亘って殺し合いに動員し続けることができない時代になって行くし、また、そうしなければならない。だからと云って闘いそのものがなくなるわけではない。激しくさえなろう。その新たな重要な形態の一つが司法的闘争なのかもしれない。そしてその担い手は、弁護士集団であり法律事務所なのだろうか。
 欧米の法律事務所は既に態勢十分。では、アジアではどうか。国民の自立経済や国民生活の安全を、そしてまた、対等・平等・互恵の国際取引や国際的協力関係を、地球上の圧倒的に強大な資本と国家の司法的実力行使による強圧から擁護する、そうした力量ある法律家部隊が日本や中国にも沢山あるような、そうした努力が必要だ。このことを実感した。
 我がJVは単体としては米国事務所の如き規模にはないが、ネットワークとしての成長・発展には大きな展望を持ち得る理念と実績とを内胞している。
 脱皮して時代に応える。互いに支えあって可能性を開こう。
  (2000年夏号)