<戻る>

「北欧福祉事情視察」に参加して

 「事務所30周年企画」の一つとして、私は97年に勝利的和解を勝ち取った中部電力人権裁判の原告・弁護団の有志の方々と一緒に、北欧視察に参加させて頂きました。
 私たちは、数回の事前学習や日本の特別養護老人ホームを視察したうえで、デンマーク、ノルウエー、スウェーデンの老人施設、障害者施設、小学校などを視察・学習してきました。
 どの国も「誰にでも同じ価値の人権があり、それを尊重する」ことが大前提で、それが実践されていることにまず驚きました。この基本的な考え方がバックボーンとなり「北欧の福祉」を支えているのです。そういう社会が実在していることに私はとても勇気づけられました。
 北欧といえば税金が高いと言われていますが、日本の「最低限の生活」でなく、「ある程度の生活」が保障されており、医療費や大学までの教育費が無料であること、老後の不安がないことなど、税金がきちんと住民に還元されています。税金の使途は全て公開され、選挙の投票率は80%を超えていることから、政治への関心の高さがうかがわれます。
 私たちはスウェーデンで障害者の保養施設に2泊しましたが、特筆すべきは、働いている人たちの表情はいきいきとし、施設の中やユニホームも明るく、設備が障害者の立場で作られているということでした。そこでのリハビリ体操では、クラシック音楽が流れていたのも印象的でした。
 今回、このような機会に恵まれたことを感謝しつつ「言葉の壁がなかったら、移住したい!」そんな北欧でした。
                    事務局 近藤久乃