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事務所初の海外旅行を語る

(なぜだか司会をする羽目になってしまった) 弁護士・森田 茂
(数多く観光地をまわる「欲張りコース」参加) 弁護士・福井悦子
(観光地の要所を押さえた「堅実コース」参加) 事務局・安田和仁
(ひたすらのんびりの「のんびりコース」参加) 事務局・細江寿喜

森田 平成10年の事務所旅行は中国旅行でしたが、4泊5日の海外旅行なんておそらく最初で最後でしょうね。それはともかく、4つのコースに別れて観光したので、みなさんにはそれぞれ参加したコースの感想を語ってもらおうと思います。
福井 私は、小2と3歳の2人の子供がいるんだけど、子供を夫に押しつけて前泊を入れて5泊の観光旅行に出かけるのにはちょっとした決断と事前準備が必要なの。だから、行くからには思いっきり楽しもう、行けるところはみんな行こうという気持ちで一番欲張りな西安・敦煌・北京コースを選んだの。
森田 ぼくもこのコースに参加したけど、朝4時半に起きたり5日間で6回も飛行機に乗ったりしてまでも三都市をまわるという強行スケジュールには、まさに「欲張り」という表現がぴったりですよね。ところで、三都市まわった中で一番印象に残ったのはどこですか。
福井 やっぱり敦煌。敦煌といえば莫高窟よね。それにしても、敦煌に着いてその足で行った砂漠ではいささかげんなりしたわ。駱駝に乗ったまま駱駝飼いのおじさんに鈴を日本円一〇〇〇円で押売りされたの。その鈴は近くの露店では10元(=150円)で売られているのよ。わたしは「囚われの消費者」になってしまったわ。でも、莫高窟はそれを帳消しにしてなおおつりがくるほどの迫力だった。
森田 そんな悲惨な目にあったのにおつりが来るなんて、よほど莫高窟に感動したんでしょうね。
福井 いかに砂漠の中だから岩質は柔らかいといっても、とにかく大きな岩山。この岩山を1500年以上も前にいったいどうやって掘ったのかと考えてしまうわ。かつては千個以上も穴があったし、現在残っているものでも、広いものはさながら大講堂。優に10メートルはある天井の隅々までびっちりと極彩色の壁画が施されているの。安置されている仏像、壁画とも、かなり変色しているものもあったけど、中には1500年、あるいは1000年の時を完全に飛び越えて今ここに存在しているという石窟も。井上靖の恋人と呼ばれる観音像は、ただそれだけをひたすら3時間くらい眺めていたいという美しさだったわ。「ああ、来てよかった。」という感じね。
森田 それにしても、早起きの苦手なぼくにはハードなスケジュールだったなあ。その点、堅実コースの安田さんはゆっくりと観光できたんじゃないですか。
安田 敦煌コースのグループは大人数・強行軍だったけど、ぼくを含めて3人は、西安・北京を各2日間の日程で廻ってきました。日本に例えれば京都と東京を観光してきたといったところですね。
森田 京都と東京とは分かりやすいたとえですね。
安田 ただ、自分の目で見ると、都市の景観、人々の生活、歴史的遺産など文化的スケールの大きさが全く違うんですよ。万里の長城は衛星から肉眼で確認できる地球上の唯一の建造物というのは有名な話ですが、その壮大さはまさに世界遺産にふさわしいものでしたね。西安の城壁もほぼ完全な姿で残されていて、その数十キロにわたる城壁の頂上部は名古屋の100メートル道路の半分ほどの幅員があるんです。東西南北の門に配置された門楼も美しく立派なものでした。日本にも世界遺産はありますが、それらも元を質せば中国文化の模倣なので、ミニチュアにすぎないと思えてしまいます。ともかく、中国文明の偉大さというものを思い知らされた4日間でしたね。
森田 確かに中国のスケールの大きさは日本とは比べものになりませんね。一方、海南島に行った細江さんたちのグループは全く違った楽しみ方をしてきたようですけど、海南島ってどんなところなんですか。
細江 海南島は中国第2の島で、広さは日本の九州より少し小さいくらいです。ハワイと緯度がほぼ同じところにあるので一年中泳ぐことができるんですよ。典型的な熱帯海洋性気候の観光地ですね。
森田 ずっと海水浴をしていたんですか。
細江 初日はほとんど移動で終わったんですけど、2日目から日中は海南島最南端の町の三亜にあるホテルのプールや海で泳ぎ、夜は三亜の町を散策して中国の庶民の暮らしを覗いてきました。最終日は、リ族の村なども観光しました。リ族の民族衣装をまとった5,6歳の子供たちがカメラをもっている観光客をみつけると、自分たちの写真を撮らせて執拗にチップをせがむので、大変びっくりしました。それが家族の生活を支えていることの表れで、日本の子供たちとの違いを痛感しました。それ以外にも貧富の差や中国経済の矛盾のようなものを感じる場面にたくさん遭遇しました。
森田 みなさんいろんな体験をしてきたんですね。来年も海外に行けるといいなあ。