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最近の離婚事件から

    弁護士 田原裕之

 離婚事件が増えています。最近私が担当した事件を紹介します。なお、当事者のプライバシーのため、多少事案を修正しております。
 共に離婚を求めているのに棄却判決
 長年連れ添った夫婦です。妻(私の依頼者)から離婚を申し出ましたが、夫は拒否。別居が続いてます。調停を経て訴訟に至りましたが、訴訟の中で、夫も「離婚になるのは妻の責任だから慰謝料を払って離婚せよ」と申立。ところが、地方裁判所の判決は、「まだ破綻したとは言えないから、双方の請求を棄却する」という判決。妻は、控訴を申し立て、控訴審判決は離婚を認めました。共に離婚の判決を求めているのに、地方裁判所の判決では、戸籍上の夫婦関係と別居状態が残るだけです。結果としておかしな判決だと思います。
 夫がいなくなってしまった
 夫が3月に家出。すると、とたんにサラ金から催促。これまでも波風のあった夫婦でしたが、子どものため、と我慢していた妻は、とても我慢できないと、私に依頼。
 私は、サラ金に通知して請求を止めると共に、離婚訴訟を申し立てました。相手が所在不明の場合は、「公示送達」という方法で裁判ができます。
 地方裁判所で6月末には離婚を認める判決。
 家出以来4か月のスピード解決でした。  (2000年夏号)